最近の楽曲の歌詞をみていくと、英語だけJPOPだってありますし、英語の単語やフレーズが日本語での作詞作品に以前よりかなり多く入っているように思います。
この単語はどうやってここに入れたんだろう?とか、このフレーズはどうしてここに入ってるんだろう?とか考えちゃいません?
今回は作詞の中で英語を英語のまま使ったり、日本語と合体させたり、カタカナや平仮名にしたりする事でその作詞の印象がどう変わっていくか・・をお話ししてみようかな・・と思っています。
そして、また、私が作詞の中に英語を使う時にお世話になっているもの等をご紹介しちゃいます♪
曲のタイトルに英語を使うとどうなる??
タイトルに英語を使うだけでも雰囲気がガラッと変わります。
「ふるさと」だと里山、そして点在する瓦や藁葺きの家々、子供達の声、なんだか素朴な昔懐かしい田舎をイメージしますよね?
畑も田んぼとかのイメージありますよね~?
「Country Home」というように英語にすると、なんだか田舎ではあるんだけど、カラフルな家やもしかしたら小さなビルもあるような雰囲気ありますよね?
畑もどっちかというとアメリカとか北海道の広大なじゃがいも畑やトウモロコシ畑みたいな。
本当はどうかわからないけど、聴いた語感、読んだ字面で思った事が作詞上のリアルなので、作詞の中身によって英語にしてみるのも一案です。
また、作詞の中身にタイトルの候補(だいたいAメロやサビの言葉を持ってくることが多い)がどうしても見つからない場合に、その作詞の雰囲気を英語でタイトルにして伝えるのもアリですね。
この例では、作詞本文の内容がガーネットの石言葉(強い絆、深い愛情)のようなので、そのタイトルにしました。
このように、作詞本文の言葉自体や意味から英語を考えて取り入れてタイトルにつけるだけでも曲の印象を大きく変えることができます。
同じ音数での英語と日本語の違いは?
では、同じ音数に歌詞をつける際、英語で付けるのと日本語で付けるのではどのような違いがあるのでしょうか?いくつか例をあげてみますね^^
例1)音数3・8(○○○・○○○○○○○○)の場合
この英語の歌詞を同じ音数(3・8)で日本語にした場合・・・、
元の歌詞 | 「Regret・my heart is weeping everyday」 |
---|---|
変換例1 | 「涙・に浮かぶ後悔」 |
変換例2 | 「後悔 こみあげる涙」(こ・う・かい)で3音として発音 |
のように、同じ文字数でも日本語と英語では伝えられる量やイメージも異なってきます。
例2)音数3・5(○○○・○○○○○)の場合
この英語の歌詞を同じ音数(3・5)で日本語にした場合、
元の歌詞 | 「I never・regret of my love」 |
---|---|
変換例 | 「愛を・悔やまない」 |
のように、日本語では同じ音数でも英語に比べて単語の数がぐっと減らさないとまとまらないですよね。
例3)音数4(○○○○)の場合
同じ音数(4)で日本語詞にした場合、和訳はどこも使えないので、
- 「好きだよ」
- 「キミだけ」
のようにうまく考え直してあげないといけません。
同じ音数でも英語と日本語では雰囲気や内容の濃さまで変わってくる!
このように、同じ音数で日本語にするのと英語にするのでは雰囲気も語感も内容の濃さも違います。
英語のほうがたくさん言えたり、反面、書こうと思っていた内容と違う表現にしないと曲と合わなかったり、ホントなかなか難しいです。
でも、上手く語呂が合えばカッコいいですよね。
意味と発音はどっちも大事!?
最近、ひとつ勉強になったことがあります。
作詞に英語を幾つか入れて書いていて、つい意味と文字数だけで提案してしまった時の事こと。
作曲者さんから、「ここ、サビ前だから、~heart とかの伸ばす音で終わって欲しいんだよね・・・そうするとすごく気持ちよくサビに行けるんだけど、何か他にない??このままでも語呂はある程度いいし歌えなくはないんだけど・・・」
そう言われちゃったら探すしかないじゃないですか。
そのフレーズの前の日本語と意味がつながって、しかも3音の最後が伸ばす音。
めちゃくちゃ探して、見つけました!作曲者さんも気に入ってくれたので、ほっ!でした。
意味と音数だけが合っていても、さほど語呂に問題が無くても、気持ちよく歌えないとダメなんだと今更ながら実感しちゃいました。
そりゃそうですよね・・英語って奥が深い!!
日本語の単語と英語の単語を組み合わせて合体してみよう!
日本語の単語と英語の単語を組合わせて意外性を狙うのもありです。
これは、ぼんやりした月と自分のハッキリ出来ない気持ちを表してみたもので。冬の月と違って春の月ってぼんやり見えるんだなぁ~と気付いて生まれた言葉です。
では、日本語と英語の単語を組み合わせるパターンをいくつか見ていきましょう。
その1:言葉遊びで英語を取り入れる!
コレは「沙汰でない」と「Saturday Night」をかけてみたものです。
もう、数十年前に書いたものだけど、自分的に気に入っていて覚えていました。
その2:カタカナ語のように普通に日本語と英語をつなげる!
その3:英語の発音を平仮名やカタカナにして日本語風に表記してみる!
近年では、日本語表記が当たり前になっている英語はたくさんあります。カタカナにした場合、ひらがなにした場合、それぞれ味が全然違いますよね?!
英語が与えるインパクトとは?
英語を歌詞中に使うとどのようなインパクトを与えることができるのでしょうか?
まず、英語を取り入れることによって知性を感じさせますし、お洒落に感じます。最近は小学校から英語に触れる機会も多いですよね。
それに、曲先に書く場合、英語にしたほうがメロディに上手く乗る時がありますのでそんな時は英語にしてみましょう。
ただ、ある程度、意味は繋がっていないと耳心地は良くても「ん?」ってなってしまうので意味も大切にしてもらえると嬉しいです。
英語を1作品の中に入れるのは何%ぐらいが適切?
では、日本語の歌詞の中に英語を取り入れるなら何%ぐらいが適切なのでしょうか?もちろん100%英語を取り入れたら英語の歌詞になってしまいます。
英単語の割合は、以前は全体のどんなに多くても20%と言われていました。
最近はもう少し多いのもありますし、40~50%のものもあります。
グローバルな時代、より多くの人達に聴いて欲しい意味からも英語を上手く使って作品を多くの人に届けたいですよね?!
ただ、その場合、日本語の部分が少なくなったぶん、より日本語を丁寧に印象的に印象的な部分に書かなきゃ!です。
英語が多すぎると意味がなかなか入ってこない!?
今現在、ちょうどそのことを実感してる最中なので、ちょっとその話をさせてもらっていいですか?
実は、知り合いの作曲家さんに、日本在住の外国の方に曲をプレゼンするので詞を書いて欲しいと頼まれ、今、まさに書いているところなのです。
で、先日、何かヒントになればと、その方のYOUTUBEにUPされているMVを見てみたら、英語が多すぎて(70%くらい英語)1回聴いたくらいじゃ全然内容が入ってこないんです。
英語圏の人達に聴かせるんじゃなく、日本でやりたいとのことだし・・・
作曲家さんも、「そうでしょう?!だから、いい曲だとしか感想を言えなかった」って言ってて。
多分、日本語が少ない上に、言いたい事じゃなく、つなぎのフレーズを日本語にしているので、ん~~、そこじゃないところを、言いたいことを例え1行でも日本語にしてくれたらいいのに・・・
そうしたら、もっと分かりやすく伝わりやすいんじゃないかなぁ~と思ってしまいました。
その方は日本語は喋れるけど、歌詞までは書けないからと今回の話になったみたいで。
うん、ここは頑張らなきゃですよね!
なので、ほぼ日本語の歌詞を(と言ってもちょっとだけ英語を入れちゃいましたが)書いています。そして絶賛なおし中(苦笑)
でもでも、より気に入ってもらえるものができるなら、いくらでもなおしちゃいます。
これは使える!英語でのフレーズを書く時のお助けツール!?
英語の歌詞を取り入れると言っても、日本に住んでいて普段日本語を使っているとなかなか難しいですよね?
ということで、無料で使えるネットの翻訳ツールを活用してみましょう!
Weblio 翻訳
いろいろ試してみたのですが、私はweblio翻訳が一番使いやすいです。
ただ、どうしても音数に上手く合わない場合、同じ意味で他の表現が欲しい時は他の無料で使えるネットの翻訳(Google、Yahoo、Exite等)を使う時もあります。
同じ日本語のフレーズを英語に翻訳するにしても、それぞれ違った表現を使っている場合もあるので、いろいろ試してみると面白いですよ。
英語逆引き辞典
脚韻を踏みたくなる時に活用します。
脚韻を合わせるときれいに聴こえるし、なんだかパズルが解けたように見つかるとすっごく嬉しくなります。
※脚韻とは歌詞の末尾を同じ音に揃える技法のこと!
作詞で歌詞中に英語を上手に取り入れる方法 のまとめ!
作詞は曲があり歌われてナンボのものなので、その歌われる為には歌いやすさ、つまり語呂がすごく大切になります。
その語呂をスムーズにする為に、また、より多くの人達に聴いてもらえる様に、作詞の中に英語の単語やフレーズを入れることが年々増えてきています。
この記事がそんなこれからの英語を使った作詞をする時に少しでも役立てば幸いです。
ただ日本では私も含め、どうしても歌詞を聴いてしまうので、全体のバランス、英語を入れる箇所、伝わるかどうか・・・なども考えながら創ってもらえたら嬉しいです。
そうしたら、より英語が生きて聴く人の心に届くステキな作品になるんじゃないかなと思います。
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